映画「プリティ・ウーマン」を観ました。
民放テレビで放映されたのですが、久しぶりに懐かしく思いながら観ました。
主人公の彼の方は、大実業家で頭の中は仕事のことでいっぱい。
彼女の方は、ハリウッド大通りを流す威勢のいい娼婦。
この二人が偶然出会い、彼が自分のプライベートな相手として彼女を雇い、6日間の契約の中でそれぞれの生き方が変化してくというお話です。
大実業家のルイス役をリチャード・ギアが演じ、
娼婦のビビアン役をジュリア・ロバーツが演じました。
この映画は、私の好きな映画の一つで、一番好きと言ってもよい映画です。
封切りは1990年で、私が30代の時でした。
映画館で観たと思うのですが記憶がなく、なぜこの映画を観に行ったのかも覚えていません。その当時、映画館に行ってまで映画を観ることはほんとうに少なく、封切りの映画を観に行くことは特別なことでしたから、記憶に残っていてもいいのですが覚えていません。
でも、この映画を大好きになり、その後、何度も見ることになりました。
大実業家のルイスの仕事人間のところが魅力的で、その当時のバリバリ仕事をしていた自分に重ね合わせていました。日々計画通り生き、仕事ができ、夜も寝ない、テレビも見ない、あのようにかっこよく仕事をしたいと思いました。
娼婦のビビアンについては、生きる強さ、自立する女、そして、どんな場面でも素敵にチャーミングに振る舞う演技を観て、彼女のようになりたいと思いました。
彼女は、シンプルで上品な洋服がとても似合っていました。
私も同様な洋服を着たいと思いました。
この映画は、主人公の彼も彼女も自分に投影したいと思って好きになりました。
家でいつでも観たいと、「プリティ・ウーマン」のVHS(家庭用ビデオテープ)を購入しましたし、オリジナル・サウンドトラックのCDも購入しました。
CDを聞きながら、その音楽の流れる時の映像を想像して楽しんでいました。
VHSの方は、再生するデッキがなくなったこともあり、今はもう手元にありません。
それから、この映画をきっかけにリチャード・ギアとジュリア・ロバーツのお二人とも大好きになりました。
[以下、ネタバレが含まれます]
あらすじ
実業家のエドワード・ルイス(リチャド・ギア)はひょんなことからロサンゼルスの売春婦であるビビアンと出会います。一晩300ドルで話し相手になって欲しいと頼むエドワードを不審に思うビビアン。初めて来たという高級ホテルの部屋で子どものようにはしゃぐ彼女を気に入り、ホテルに滞在する6日間共に過ごしてくれたら3000ドル払うという約束をします。優しいホテルの支配人の協力もあり、素敵な女性としてのマナーや身だしなみを学ぶビビアン。二人は身分の違いを感じながらも次第に惹かれ合っていきます。“いつか自分のもとに白馬の王子様が来てくれる”と夢見るビビアンのもとに白馬の王子様は本当にやってきてくれるのでしょうか? <ネットより引用>
・キャスト
エドワード・ルイス(リチャード・ギア) 仕事では冷酷な実業家(乗っ取り屋)
ビビアン・ワード(ジュリア・ロバーツ) 自由奔放な娼婦
フィリップ・スタッキー(ジェイソン・アレクサンダー)エドワードの弁護士
ジェームス・モース(ラルフ・ベラミー) エドワードが買収を考えている会社のオーナー
キット・ド・ルカ(ローラ・サン・ジャコモ) ビビアンの親友
ジュリア・トンプソン(ヘクター・エリツォンド)ホテルの支配人
・監督 ゲーリー・マーシャル
・公開 1990年
*その他の情報
2015年、「プリティ・ウーマン」25周年に米テレビにキャスト人が出演して思い出を語りました。
リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ、ヘクター・エリツォンド、ローラ・サン・ジャコモ、そしてゲーリー・マーシャル監督。
リチャードは、当初、エドワード役を演じることに乗り気ではなかったと明かします。でも、すでに相手役に決定していたジュリアに会って気が変わったそうで、「僕たちはすぐに互いが大好きになった。それは素晴らしいことだよ」と話しています。
また、ジュリアは茶目っ気のある方法でリチャードに役を引き受けさせようとしたそうで、彼女はテーブルの向こう側に座っていて、ポストイットを手に取り、それを裏返してリチャードの方に押しやったそうです。
そこには「お願い、イエスと言って。」と、書いてあり、それはとても可愛らしかったと話しています。
マーシャル監督からは、
「プリティ・ウーマン」は、当初ドラッグ依存症などのシリアスなテーマを扱うダークな映画になる予定だったことや、ジュリアとリチャードが主演に決定してからストーリーが変更になったことについて話されました。
・感想① 好きなシーンの①。
好きなシーンはたくさんあります。
正直に言いますと映画すべてが好きなシーンです。
でも、その中で一番好きなのは、ルイスがホテルのレストランで一人ピアノを弾くシーンです。
買収しようとしている会社との商談に悩んでいる時、ビビアンを部屋に残して自分だけレストランに行ってピアノを弾きます。
レストランはもう閉まっていて従業員がお掃除をしています。
ルイスはホテルでは特別なお客様なのでそんな行為も許されます。
従業員もその演奏を聴きながらお掃除をしていました。
そこにビビアンがだぼだぼのパジャマ姿で現れます。
ルイスが従業員に二人だけにするように促します。
その後、グランドピアノの上が、ベッドになります。
ルイスの粋なふるまいと、贅沢な二人の時間です。
このシーンでは、リチャード・ギアが実際にピアノを弾いています。
また、曲は本人が作曲したものだそうです。
なんと素敵なことでしょう。
そのことを知ってから、よりこのシーンが好きになりました。
・感想② 好きなシーンの②。
ルイスは、プライベートな相手として6日間3000ドルでビビアンを雇います。
一日目は、買収を考えている会社のオーナーとの食事会に同伴させる。
二日目は、超高級ショッピング街の「ロデオ・ドライブ」に二人で買い物に行く。
三日目は、ポロの競技場へ行く。
四日目は、自家用ジェットでサンフランシスコへ行き、オペラを鑑賞する。
五日目は、公園でゆっくり過ごす二人。
六日目は、二人の今後について話合う。
ルイスの仕事は終了し、ビビアンはホテルを去っていく。
七日目は、アパートに帰ったビビアンのもとに、ルイスが迎えに行く。
すべてのシーンが好きです。
ルイスのビビアンへの優しい眼差し、愛しく思う表情が最高です。
ビビアンのチャーミングな表情やしぐさ、ファッションも魅力的で最高です。
それと、ルイスとビビアンの変化です。
ルイスは、企業の株を買い占めて、乗っ取り、解体して巨大な利益を得る仕事をしています。冷酷な乗っ取り屋でした。でも、ビビアンに生産や建設はしないのかと言われます。今回の商談は、後、電話一本で買収するところまできていたのに、その電話をせず、提携して船舶を建造することにします。
ビビアンと過ごす日々で優しさが芽生えたのです。
また、女性への愛の形も変わり、真剣な愛を知ることになりました。
ビビアンは、ルイスからこのままそばにいてほしいと言われますが、それは今の生活の続きでしかありません。ビビアンは、今の生活をやめ、オペラを観に行ったサンフランシスコに行き、何か仕事について、高校の残りを卒業しようと決心します。そう決心させたのは、ルイスと一週間をともに過ごし、ルイスの世界を知って変わったからです。
二人の気持ちの変化は、演技としてしっかり表現されていて、そこもこの映画の魅力になっています。
・感想③ シンデレラストーリーと言われていますが。
シンデレラストーリーの王道な作品と言われていますが、白馬に乗った王子様が迎えにくるところにキュンキュンしたかというとそうでもありませんでした。
私はその部分よりも実業家のルイスの日常と仕事ぶり、それとビビアンのチャーミングな演技やファッションがとても気に入り、そこにキュンキュンしました。
結果的に、ハッピーエンドになる物語の内容に癒しと幸せをもらっていました。
実業家のルイスが白馬に乗った王子様になるのですが、二人を結びつけたキューピットがいました。ホテルの支配人トンプソンです。
彼はとても紳士的で、彼の存在がビビアンをよりチャーミングさせ、ルイスの相手役ができるまで成長させてくれました。
娼婦のビビアンを高級ホテルの中にいられるように対応したり、フルコースの食事のマナーを教えてくれたり、最後はホテルの車で送ってくれたり。
ルイスに対しても、彼女とほんとに別れてしまっていいのですかと言わんばかりに、最後のところでこんなセリフをいいます。
ルイスが支配人に、オペラ鑑賞時使用した宝石をお店に返してほしいと頼みます。
その時、「美しい宝は、手放すのがお辛いでしょうね?」と。
また、昨日ビビアンをホテルのクルマでお送りしましたというのです。
それは、ビビアンがいるところを運転手が知っていますよと何気なく教えたということです。
これでは、別れを決断していたのに、その気持ちが揺らいでしまいます。
もう、抑えきれません。ルイスは白馬に乗った王子様になってしまうのです。
・感想④ リチャード・ギア が好きになりました。
最初のシーンでルイス(リチャード・ギア)は、パーティー会場から抜け出し、相棒の弁護士の車に乗りホテルに戻ろうとしますが、車も上手く運転できず、道にも迷ってしまい、イライラしている時にビビアン(ジュリア・ロバート)に出会います。
出会って、自分とはまったく違う世界に住んでいるビビアンに興味を示し、ホテルの自分の部屋まで連れていくシーンで、感情が変化していく様子(演技)が実にいいのです。
この映画の後、他の映画もいろいろ観ました。
「ミスターグッドバーを探して」(1977)
「天国の日々」(1978)
「アメリカン・ジゴロ」(1980)
「愛と青春の旅立ち」(1982)
「コットンクラブ」(1984)
「背徳の囁き」(1990)
「愛という名の疑惑」(1992)
楽しく、明るい役はほんとに少なく、どちらかというと
シリアスな映画の中で、役としては闇を抱えていたり、精神的に問題があったりと、暗い役が多いリチャード・ギアでした。
この映画のリチャード・ギアは、まるで反対の紳士的で素敵で、魅力がある役でした。
私は、この映画の役のように優しくコミカルな役をするリチャード・ギアが好きです。
・感想⑤ ジュリア・ロバーツが好きになりました。
この映画は、ジュリア・ロバーツの出世作となりました。映画としては、二作目でしたが、一作目の「マグノリアの花たち」(1989)では、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞し、そして、この映画では、アカデミー賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しました。
この映画をきっかけにハリウッド女優としての階段を駆けあがっていくことになりました。
この映画の後、他の映画もいろいろ観ました。
「愛の選択」(1991)
「愛がこわれるとき」(1991)
「ペリカン文書」(1993)
「マイ・ラブ・トラベル」(1994)などを見ました。
その中で、この映画の次に好きだと思った映画は「ペリカン文書」です。
・感想⑥ 挿入歌がとてもいいです。
話題のアーティストたちのサウンドが全体を彩っていて、とてもいい感じでした。
サウンドトラック版のCDを購入し、よく聞いていました。
音楽を聴きながら、その場面を頭に描き、映画の余韻に浸っていました。
ワイルド・ウイメン・ドゥ (ナタリー・コール)
フエイム‘90 (デビッド・ボウイ)
キング・オブ・ウィッシュフル・シンキング (ゴー・ウエスト)
タングルド (ジェーン・ウィードリン)
愛のぬくもり (ロクセット)
ライフ・イン・ディテイル (ロバート・パーマー)
ノー・エクスプラネーション (ピーター・セテラ)
リアル・ワイルド・チャイルド (クリストファー・オケイセック)
フォーレン (ローレン・ウッド)
プリティ・ウーマン (ロイ・オービソン)
ショウ・ミー・ユア・ソウル (レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
・感想⑦続編について
「プリティ・ウーマン」の続編が出る話も出ていましたが、出ることはありませんでした。
ですが、内容は違いますが、二人が登場する「プリティ・ブライト」という映画が1999年に出ました。
タイトルが似ていますが、これは日本がつけたタイトルで、原タイトルは「RUNAWAY BRIDE」(逃げる花嫁)です。
明るくて楽しい映画ですが、まったく新しいものです。
とは言っても、主役の二人は同じで、監督もゲーリー・マーシャル、音楽もジェームズ・ニュートン・ハワードで同じです。
また、ホテルの支配人だったヘクター・エリツォンドも出ています。
結婚式から逃げる花嫁が、ジュリア・ロバーツ、
コラムニストの役がリチャード・ギアです。
・最後に
この映画は自分に投影したいと思って観ていました。
今考えると、仕事もプライベートも毎日凄く忙しく、よくあれだけのことを限られた一日24時間しかない時間の中でこなしていたと思います。
30代って、そういう年代なのだと言えばそうかもしれませんが、そんな時に鼓舞され、また癒された映画です。
その当時、女性としての生き方、仕事人間のあり方について、この映画を参考に成長させてもらったと思っています。
成長するエネルギーをいっぱいもらった映画でした。