桜切るバカ、梅切らぬバカ

ごきげんよう

私は、テレビドラマが好きです。
月曜日は、午後9時からフジテレビの「ミステリと言う勿れ」を観ています。
先日、このドラマの中で、主人公の久能整さん(菅田将暉さん)の台詞に
「桜きるバカ、梅きらぬバカ」というのがありました。 ドラマに登場するライカさん(門脇麦さん)という女性が、桜の木にピンでメモを刺しておくのですが、それに対して久能さん(菅田将暉さん)が「桜の木にピンを刺すのはもうやめてください。桜は傷つけたら枯れちゃうんですよ」と言います。

「ミステリと言う勿れ」
キャストは、
久能整   学生 (菅田将暉さん)
風呂光聖子 巡査 (伊藤沙莉さん)
池本優人  巡査 (尾上松也さん)
青砥成昭  警部 (筒井道隆さん)  などなど。

原作は、月刊「フラワーズ」で2016年に連載をスタートしたもの。
原作者は、田村由美さん。

主人公・久能整さんは、天然パーマにコンプレックスを持つ、友だちも彼女もひとりもいない、カレーをこよなく愛する大学生。社会で「当たり前のこと」として流されていることに常に疑問を持ち、とことん考え抜く性格で、膨大な知識と独自の価値観による持論をあざやかに展開します。たとえ周囲で何が起きていようとも喋らずにはいられない、「うざい、面倒くさい」と言われ続けて生きて来た青年です。
この主人公が事件に巻き込まれ、そして解決してしまうというドラマです。

桜の木で思い出すことがあります。
働いていた研究所には、桜の木がありました。
研究所の敷地はフェンスで囲われていましたが、私が川越の研究所で働き始めた25年ほど前は、そのフェンス越しにソメイヨシノが数本としだれ桜が10本以上ありました。
しだれ桜は、勤務する6、7年前に増改築工事があり、その当時の社長がお好きだったということで、しだれ桜が植えられたそうです。ですので、幹は細く、まだまだ若いといった感じでした。

さらに10年以上経ち、再び増改築工事が始まり、工事の間しだれ桜の半分ほどが移動されることになり、その後、工事が終了して桜を元に戻そうとしたのですが、枯れてしまっていて戻せませんでした。新しいしだれ桜を植えることになったのですが、残念なことに同じ株のしだれ桜を求めることはできず、別の株のものになってしまいました。ソメイヨシノとは違い、しだれ桜には遺伝子情報が違う複数のクローンがあるとのことで、開花時期が若干違いました。その時から、すべてのしだれ桜がイッセイに咲くことはなく、満開の時期が2回に分かれてしまいました。

東京で有名なしだれ桜というと六義園の枝垂桜がありますが、研究所のしだれ桜はまだまだ若く、あの大きさとは比べものにならないほど小さいです。ゾウとアリくらいの差です。
背は低く、幹も細く、そもそもしだれ桜は花の数が少なく豪華さはありませんし、一斉に咲きませんし、より桜のよさを感じられなくなってしまいました。
有名になるほどのしだれ桜は寿命が数百年と言われています。
この先、年数を重ねるともう少し豪華さが出てくるのでしょうか。
でも、開花時期はいつまでも2回に分かれたままです。

桜の木は傷つけてはいけないそうなので、移動したことがストレスで枯れてしまったのでしょうか。
なんとも残念な結果になってしまった研究所のしだれ桜でした。

研究所にもソメイヨシノが数本ありますが、隣の工場にも、フェンス越しに5本ほどのソメイヨシノが並んであり、毎年3月下旬に満開の花を見せてくれます。とても豪華で、駐車場から正門に入る途中にその側を通るため、毎年感動しながら見ていました。
また、この工場には、一本だけ離れたところにも桜の木があり、それは道路がカーブするところで、枝が道路にはみ出してきていました。車が2台やっとすれ違うような道幅でそのうちじゃまになるとの判断だったのか、ある時、枝という枝がすべて切られていました。また、花が咲くのかな、大丈夫かなと思えるほどの大胆な剪定でしたが、毎年、少しずつ枝が伸び、花の数も増え、数年でりっぱな桜の木に復活していました。

研究所の若いしだれ桜は枯れてしまいましたが、隣の工場のりっぱなソメイヨシノは枯れずに復活です。
保管の仕方、剪定の仕方によっては枯れることもなく、生き続けるものなのかなと思ったのでした。

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