映画「約束のネバーランド」を観ました—脱獄ファンタジー映画。あきらめずに前に進む主人公たち。先にある光をつかんでほしい。

ごきげんよう

映画「約束のネバーランド」を観ました。

サスペンス的な要素も含んだ脱獄ファンタジーです。
計画が失敗してもあきらめず、壁にぶち当たってもあきらめず、絶望的な状況になってもあきらめず前に進もうとする主人公たち。
あきらめないでいると助けてくれる人が現れたり、チャンスも訪れたたり、先にある光に導いてくれるのですが、その時のがんばる勇気と力が凄いです。
必死に生きようとがんばる姿を演じたのが、エマ役の浜辺美波さんですが可愛かったです。

あきらめないでがんばる勇気をもらえる映画でした。

[以下、ネタバレが含まれます]

*異色の脱獄ファンタジー。
大ヒットコミックを実写映画化。
楽園のような養護施設(ハウス)で暮らす孤児のエマ(浜辺美波)たちは、母親代わりのイザベラ(北川景子)の愛情を受け、里親に引き取られる日を夢見ていた。ある日、近づくことを禁じられている“門”へ向かった彼女たちは、施設にまつわる恐ろしい秘密を目撃し、孤児全員を引き連れた脱獄計画に乗り出す。(WOWOWの説明文より)

あらすじは、

孤児院「グレイス=フィールドハウス」。一見幸せに満ちた楽園であるかのように見えるこの施設では、孤児たちから“ママ”と呼ばれて慕われるシスターのイザベラ(北川景子さん)の元、各地から集まった孤児たちは血の繋がりはなくとも家族同然の関係を築き上げていました。

孤児たちはこの施設で特殊な教育を受けて育ち、6歳から16歳までの間に“里親”の元へと引き取られていくのです。もうじき16歳になるエマ(浜辺美波さん)、レイ(城桧吏さん)、ノーマン(板垣李光人さん)の3人は孤児たちの中でもとりわけ頭脳明晰で優れた身体能力を持ち、率先して年少の孤児たちの世話にあたっていました。
エマたちもまた、いつか自分たちも外の世界に出て幸せに暮らすことを夢見ていました。

エマとノーマンは里親が見つかり施設を出ることになったコニーが大好きなぬいぐるみを置き忘れていることに気付き、彼女が向かった“門”へと急ぎました。
外の世界への唯一の出入り口である“門”は、決して近づいてはならないとイザベラから固く命じられていたところでした。
そこでエマとノーマンが目の当たりにしたのは、“鬼”と呼ばれる怪物に喰われるための“食肉”として出荷されるコニーの姿でした。
今まで“里親”に引き取られた孤児たちは、実はみなその“食肉”として出荷されていたことに気付きました。
しかもその場で立ち会っていたのはイザベラで、彼女は最上級の“食用児”を育てるための飼育監だったのです。

施設は楽園などではなく、“鬼”に献上されるための“食用児”を飼育する“農場”であることに気付いたエマとノーマンはレイにも真実を告げ、孤児たち全員を引き連れての脱獄計画を練り始めました。
一方のイザベラも“門”のそばにコニーのぬいぐるみが落ちていたことから孤児の誰かが真実を悟ったのではないかと考え、新たな補佐役兼監視役として“本部”からシスターのクローネ(渡辺直美さん)を迎え入れました。

クローネはイザベラに忠誠を誓う素振りを見せつつも、裏では下克上を起こしてイサベラを追い落とすことを目論んでいました。利害が一致した孤児たちとクローネは極秘裏に協力関係を築き、クローネは孤児たちの耳に超小型の発信機が埋め込まれているなどの情報を提供しました。しかし、クローネは裏切りがバレてイザベラに“食肉”として出荷されてしまいました。

更に追い打ちをかけるように、今度はレイが実はイザベラのスパイであったことが発覚しますが、本当は裏切り者ではなく真の意味で仲間となりうる人物であり、脱獄計画を推し進められる同志を求め続けていたという真意を探り当てました。

着実に脱獄計画を押し進めるエマたちでしたが、運悪くイザベラに脱獄の下見をしたことがバレてしまいました。エマは足をへし折られ、ノーマンは出荷されることとなってしまいました。
ノーマンは危険な“門”周辺の下見に向かいました。戻ってきたノーマンはエマやレイたちに得られた情報の全てを伝えたのち、イザベラによって出荷されていきました。

そして、遂にレイも出荷されることとなりましたが、足の怪我から回復し、密かに計画を進めていたエマは、レイに焼身自殺を図ったフリをさせ、施設に火を放ちました。
また、レイや孤児たちの耳から発信機を取り出し、それを火の中に投じてイザベラを欺きます。

エマたちはノーマンが命がけで下見してくれた脱出ポイント、施設と外の世界を隔てる対岸の崖が一気に狭まっている箇所に向かいました。イザベラは急いでエマたちの後を追いましたが、エマたちや孤児たちは既に密かに用意していたロープやハンガーなどを使って対岸に渡り始めたところでした。
イザベラは「外の世界にも安息の場はない」と言い放ちましたが、エマは「ないなら作ればいい」と返して対岸へと辿り着きました。既に夜は明け、エマたちは外の世界への一歩を踏み出しました。
(ネットより)

・キャスト
   エマ    浜辺美波さん、
   ノーマン  板垣李光人さん、
   レイ    城 桧吏 さん、
   イザベラ  北川景子さん、
   クローネ  渡辺直美さん、
   謎の男   松坂桃李さん、
         三田佳子さん
・原作  白井カイウさん 原作・出水ぽすかさん 作画 まんが「約束のネバーランド」
    週刊少年ジャンプ史上最も異色なダークファンタジーと称されるもの。
    2016年から連載がスタートし、2020年に最終回を迎えた。
    テレビアニメもあり。
・監督  平川雄一朗さん (数々のコミックの実写化を手掛けてきた人)
・脚本  後藤法子さん
・公開日 2020年12月18日

・感想① キャストについて(まんがは見ていません)
エマ役の浜辺美波さんは、最後まであきらめないで外の世界に出ていきます。元気で勇気があって、何があっても負けずに前に進む強い女の子を演じていますが、きっとまんがの主人公にぴったりなんだろうなと思いました。

イザベラ役の北川景子さんは綺麗でした。
孤児たちから“ママ”と呼ばれて慕われるシスター役ですが、時々、飼育監としての怖い部分が出てきます。後半は何も知らない子供たちにはやさしいシスターなのですが、脱獄しようと計画している3人には、飼育監としての内に秘めた怖さが出てくる演技をしていました。やさしいシスター役と飼育監役の演技の違いが良かったです。
イザベラは、子供たちが逃げることを阻止しようとしていたのですが、最後には解放します。その理由は、自分も脱獄しようとした過去があったのですが、あきらめていた。もう一つ、レイ(城桧吏さん)が自分の子供であった(レイとの会話で気付きました)ことが、関係しているのではないかと思いました。

クローネ役の渡辺直美さんも存在感があってよかったです。原作とよくあっていたと、感想に書いてありました。だらだらとストーリーが進んでいくだけになりそうなところに、スパイスを与えてくれていました。

ノーマン役の板垣李光人さんは、まんがのイメージに合わせているのかどうなのか分かりませんが、少し違和感がありました。まんがでは出荷される年齢が12歳ですが、映画では16歳の設定で、本人は19歳なのです。最後は出荷されてしまうのですが、脱獄のための計画を作り、エマにその実行を託すという頭脳明晰なリーダー的存在です。その役割はよくわかるのですが、もう少し少年っぽさが出ていてもよかったかなと思いました。見た目のイメージがどうもすっと入ってきませんでした。撮影方法や髪型、メイクで考えてほしかったと思うのは、私の好みの問題でしょうか。

レイ役の城桧吏 は、現在、15歳とのこと。「万引き家族」に出演していた少年で、その時の演技はよかったなあと思っていました。
また、フジテレビのドラマ「グットドクター」の第五話に出演していて、天才ボーイソプラノ歌手の役で出ていたのも思い出します。
今回の映画では、一回目見た時には存在感が薄く、役割がよくわかりませんでした。感想でも、あまり評判がよくなかったようですが、声変わりの時期でうまく声を出せなかったようです。でも、映画をよく見てみると、レイは胎児の頃からの記憶があるという特別な子で、イザベラ(北川景子さん)の息子でもあり、脱獄の成功に一役かっている存在でした。彼がいたから、脱獄が成功したと思うのです。3人の中で一番若い彼には、難しい役柄だったのかもしれません。監督さんには、彼の役割を見る側の心に残るようにまとめてほしかったなと思いました。

・感想② オニが人間を食べるのです。オニと共存する世界。
オニは登場します。名前もなく、オニと呼ばれていました。
大きい怪物で気味悪いのですが、人間を食べるシーンはなく、怖さは感じませんでした。
幸せに満ちた楽園とのギャップもそれほどなく、その世界のイメージは維持されていて映像としては悪くなかったです。

また、映画の世界設定は、オニと共存する世界です。
謎の男(松坂桃李さん)のセリフにもありますが、オニには人間の脳が必要で、脳を献上することで多くの人間が平和に何も知らずに生きていけるとのことです。
映画の中では、オニと共存する世界が描かれていますが、オニを別の何かに置き換えると、現在のこの世界も、何かの犠牲で成り立っているのだろうなと考えてしまいます。
ウイルスとの共存も同じだと思いました。

・感想③ エマは最後に何と言ったのか
エマが木の上に登って、先に広がる景色(世界)を見ていた時、いっしよに逃げた小さな子供に「エマ、何が見える」と聞かれて、何かを言います。
その場面で映画が終わるのですが、なんと言ったのかとネットで話題になっていました。
口の動きしか分からないのですが、ネットでは希望、未来、ノーマン、明日が、きれい、、、、、など。
何度か見返してみましたが、私は、“きぼう”と言ったのではないかと思いました。

・感想④ あきらめない
私は、”あきらめない”の言葉を持ち合わせていない子で、なんでもすぐあきらめてしまう子でした。それが、映画やテレビドラマや本や、そして関与したいろいろな人から“あきらめない”と前に進めるということを教わったように思います。
この映画での“あきらめない”はそれでもまだあきらめないのかと思うほど刺激されました。
私の“あきらめない”は“考えて、行動すること”です。
前に進みたい時に、困ったり、悩んだりする時は、考えて、考えて、努力を怠らず、そしてチャンスを見逃さないことです。考えると前に進む答えが向こうからやってきます。
TVアニメ「鬼滅の刃」の炭治郎も言います、「考えろ、考えろ」と。
TVドラマ「日本沈没-希望のひと」でも、田所博士が言いました、「こじ開けろ」と。

・感想⑤ その他
この映画を観て、綾瀬はるかさんと三浦春馬さんと水川あさみさんが主演のTVドラマの「私を離さないで」を思い出しました。ネットの感想にもそういう書き込みがあり、影響を受けているらしいです。設定や世界観は全然違いますし、比べるのはおかしいと思いますので、ドラマを思い出したというところで終わりとします。

・感想⑥ その他
イザベラ(北川景子さん)がエマ(浜辺美波さん)に言います。
「抗う(あらがう)ことをあきらめてほしい。逃げるなんて不可能。」と。
抗う(あらがう)?
抗う(あらがう)とは、従わないで争うとか、抵抗する、逆らうという意味です。
抗う(あらがう)という言葉をいつから見たり、聞いたりしていないでしょうか。
作者が敢えて使いたかった言葉なのでしょうか。
私は、忘れていた言葉なのですが、だんな様に聞くと知っていて、会話には使わないけど、本とか読んでいると出てくるよね、ですって。
普段使わない言葉が出てくるとこんな日本語あったんだと、ちょっと感動し、私もどこかで使いたいなあと思ってしまいます。

セリフ紹介です。

ノーマン「エマは、いつもみんなのことを考えていた。一人ひとりのことを信じて守ろうとしていた。自分が死ぬことが悲しくて泣いているのではなく、家族(施設の子供たち)の誰かが死んでしまうことを悲しんでいた。信じてあきらめない、どんな不可能なこともエマならやれる。」

レイ「おれはママとおれたちを統制する上で、望む方向にうち側から誘導する装置、ようは、羊飼いにおける牧羊犬だ。」

<9年前、レイとイザベラの会話>
レイが歌を歌っています。
イザベラ「その歌どこで」
レイ「ママのお腹の中で。おれ、胎児の頃の記憶があるんだ。ママもこの歌知ってる?」
イザベラ「知らないわ」(でも、その歌は、イザベラがお腹の中にいる赤ちゃんに聞かせていた歌だった。レイは自分の産んだ子だと、この時知った)
レイ「ママ、俺さ、分かっちゃったんだ、ハウスの秘密。取引したいママ、条件は2つ。ひとつは、仕事をするからすぐ出荷しないこと。もうひとつは、結果を出したら報酬をもらうこと。いろいろガラクタ。ハウスにないものを外の世界から取り寄せてもらう」
(実は、脱獄の準備をしていた。)

エマ「レイはいつここの秘密を知ったの」
レイ「おれには、胎児の頃からの記憶があるんだ。ふつうの人は、赤ん坊のころの記憶を自然に無くす。幼児期健忘といって、通常は3、4歳の頃からの記憶しかない。けど、おれは違った。このハウスにくる前のこともすべて覚えている」
エマ「じゃ。お母さんの顔も覚えてるってこと」
レイ「覚えていない」
ノーマン「ハウスにくる前ということは、門の外の記憶も」
レイ「あー。本部は、母親の身体から出て最初に見た場所だ。オニと大人、そして、おれ以外にもたくさんの赤ん坊がいた。そこから、このハウスに連れてこられた。だから、門からは逃げられない。その本部につながっているから」

謎の男(松坂桃李さん)
この世界の秩序を守っていると自分で言っていた。
「オニは人の脳を食べることでしか知性を保てない。だから、賢い脳が貴重なんだ。ありがとう。君たちのおかげで多くの人間が平和に何も知らずに生きていける。この世界は、誰かが犠牲になることで守られるんだ」

イザベルがエマに言います。
イザベル「脱獄はもう絶対にかなわない。絶望に苦しまずにすむ一番の方法は、あきらめることよ。あらがいから、次は受け入れるの。」

イザベルの最後の言葉(やさしい顔で、脱獄した子供たちを見送る)
「いってらっしゃい。願わくば、その先に光がありますように」

原作は読んでいません。映画を観ての感想です。
あきらめない勇気をもらった映画でした。
感動をありがとうございました。

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