69歳 就職奮闘記

 はじめに

昨年4月から仕事をしています。
新たな就職1年生です。

前職を定年後も嘱託で5年勤務し、延長してアルバイトとして66歳まで働き仕事を辞めました。
2年ほどのんびりしていましたが、また仕事をすることにしました。

パートで一日4時間、週4日の仕事です。

働くことにした理由と今働いている仕事にたどりついた経緯については、のちほど書くことにしますが、収入を得るためというより社会とつながっていたい、という思いが強くなり仕事を探しました。
そしてたどり着いた仕事は、これがなかなかの無謀な挑戦になってしまいました。
辞めたほうがいいのかなと何度も思いましたが、もう少し挑戦を続けてみようとも思い、もうすぐ一年になります。
が、覚えることが多くて、仕事に慣れなくて、今も一人前ではありません。

まずは仕事スタートから現状までを記します。
責任者の方や仕事を教えてくれる先輩も登場しますが、尊敬語、ていねい語等は意識せず“つぶやき”たいと思いますので、あしからず。
お読みいただけたら幸いです。

 仕事スタートから8カ月経過(2024年4月~)

昨年(2024年)3月、
ハローワークで、調剤薬局での補助業務の仕事を見つけました。
昔、昔、薬剤師になりたいと思ったこともありましたし、薬局の仕事に興味がありました。
勤務日数や労働時間も希望とあっていましたのですぐ面接の依頼をしました。

求人票の仕事内容欄には、次のように書いてありました。
「病院・クリニックから発行される処方せんの受付。調剤専門薬局です。業務は、処方せんの内容をパソコン入力し、調剤に必要な書類等を発行する補助業務です。(その他薬局内での雑務あり)」
募集理由は欠員補充、
その他、雇用形態はパート労働者、学歴・経験・知識は不問、また、年齢も不問でした。

早々、M責任者(薬剤師)と面接をしました。
仕事の内容を説明してもらいましたが、イメージしていたものとほぼほぼ同じ感じでした。
私が一番気になっていたのは私の年齢のことでしたが、M責任者からは何も話しが出なかったので私の方から聞いてみたところ、全然問題にしてなく安心しました。
「70歳を超えても、活躍している人は多くいます。職歴からも大丈夫ですよ。」と言われました。

「おためし仕事」として一日仕事をしてみませんかと言われて、その週の土曜日に実際に仕事をしてみることになりました。
それが、3月末のことでした。

「おためし仕事」をなぜするかというと、受付ではレセコンのパソコン操作があり、またクスリが何種類も棚に並んでいるところから処方箋通りのクスリを探さなくてはいけません。
そういう仕事が向いていない人もいるようで、実際の仕事を体験してみてすぐ断る人もいるとのこと。

「おためし仕事」の当日、ピンクのエプロンをして実務を体験です。
通常の勤務定員はM責任者(薬剤師)と助手が2名とのこと。
募集理由が欠員補充ということですから助手2名はいない状況です。
その日は助手が1名しかいませんでした。
さらに、その日は本来の助手の方がお休みとのことで調剤室の作業だけをする薬剤師の方が応援に来ていました。
そんな状況でしたので、私に作業の説明をする時間などなく、見ているだけかなと思ったのですが、気が付くと業務のお手伝いをしていました。

その薬局は、どこの医療機関の処方箋も受付するのですが、Nクリニックの門前薬局になっていて、9割はそこのクリニックからのものでした。処方箋にはQRコードがあり、処方箋をスキャンした後、情報の自動登録ができます。

何もわからない私でしたが、レセコン受付で自動登録のできる処方箋に限り操作を教わり登録をしました。
出力された帳票類を折ってビニール袋に入れて、薬剤師の方が用意した薬をそのビニール袋に入れたりと、単純作業に限り言われる通りやりました。
あっというまの4時間でした。
終わってみて、この仕事は嫌いではないと思いました。
どちらかというと、好きだと思いましたし、得意な仕事だと思いました。
仕事を覚えることが楽しみになりました、が、、、、、。
その思いは1週間程度でくずされてしまいました。

週4日、午前中4時間勤務の契約で、すぐ働き始めました。
4時間勤務の中間に10分間程度の休憩があります。
欠員補充のための採用なので、M責任者(薬剤師)に指示されるまま助手を務めましたが、ゆっくり教えてもらえる時間がほんとに少なく、指示された作業を取り敢えず覚えるしかない状況。
始めは、“ねこの手”状態でした。
週4日のうち、2日間はN先輩といっしょに仕事ができました。
N先輩は40代の女性で1年ほど働いているとのこと。
N先輩がいっしょに仕事をしながら作業を教えてくれました。
それで、なんとか少しずつですが、仕事を覚えることができました。
残りの2日間は、助手は私一人でしたので、M責任者(薬剤師)の指示に従って、作業していましたが、期待してもらえるような作業は全然できませんでした。

始めに戸惑ったことがありました。
マニュアルがありません。作業の全体が分かるようなフローチャートすらありません。
前職の仕事は、マニュアルありきの仕事で、逆にマニュアルに従わないとだめな仕事でした。
そういう世界でずっと仕事をしてきた私です。
また、性格なのか職業がらなのか分かりませんが、家電などでも、取り扱い説明書を読んでから使い始めるタイプです。
全体の仕事を理解して、その中のどの仕事をするのか説明してもらって、その作業手順を実際に教えてもらうのであれば、手順の理解も早いと思うのですが、そうではないので全然頭に記憶されませんでした。

N先輩には、今覚えている“点”の作業がそのうち “線”になりますよ、と言われたのですが、肝心の“点”の作業が覚えられていない状況に焦ってしまいました。

基礎知識としては、処方箋の見方、保険証の見方、レセコンの操作方法、クスリについてなど、いろいろありますが、M責任者(薬剤師)のほうから、それぞれ説明してもらえると思っていたのですが、1カ月すぎても2カ月すぎても教えてもらえませんでした。
始めは、人手不足で忙しい状況でしたので、時間に余裕ができたら簡単にでも教えてもらえると思いました。
でも、それがないので自分で勉強しなさいということなのだろうと思い、少し遅すぎましたが勉強を始めました。

また、教え方としては、OJTという方法があります。
この方法で教えてもらえると思っていたのですが、それも違いました。

OJTとは 4段階での指導をベースに早期戦力化を狙うもの。
OJTとは日常の業務に付きながらの職業教育を意味します。
「4段階職業指導法」。
「やってみせる(Show)」
「説明する(Tell)」
「やらせてみる(Do)」
「確認、追加指導(Check)」  が基本的な手順とされています。
主に教育担当の先輩社員が日常業務のなかで、新入社員をマンツーマン指導するのが一般的な進め方です。
OJTは社員研修において基本的な手法として知られています。

N先輩が作業を教えてくれましたが、
多くの場合、言われた通り私が作業します。
でもこれだとメモもとれないし、作業することに集中するので何をしたかを覚えてられません。
空き時間に説明もしてくれますがすべてではありません。
N先輩の作業を見て覚えたいと思いましたが、見ている時間を与えてはくれません。
できる作業を次々しなければなりませんから。
一人が受付作業をしている時、もう一人は処方箋を見てクスリを集めます。
ですから、見て覚えることはできないのです。
どうやって覚えていったらいいのだろうと思いました。

いろいろ思うことはありましたが、仕事は覚えるしかありません。

3カ月ほどで覚えられると思っていたのですが、6カ月過ぎでも受付作業は覚えきれていませんでした。
逆に、脳が疲れてしまったのか、覚えることもできないし、覚えたはずの作業もできないことが多くなりました。
ゆっくりですが成長していたはずなのに、停滞しているというか後退している感じがしました。

 4月~11月の状況

4月、受付業務とクスリのピッキング業務を覚えるのに必死でした。
(ピッキングとは、処方箋に書いてある医薬品を薬棚から取り出し用意する作業)
特に受付で使用するレセコン操作は覚えることが沢山ありました。
以前の仕事でも似たようなシステムソフトは使用したことがありましたので、すぐ分かると思ったのですが、
操作はワンパターンのようでそうではなく、また患者さんごとに微妙に対応が違いました。
違う内容は、初めての対応になるためどう対応してよいか分からず、パソコン操作が止まってばかりでした。

覚える操作が多くてなかなか覚えられません。
そもそも薬局事務としての基礎知識がなく、受付用のパソコンシステム(レセコン)の操作もわからないところからのスタートです。
M責任者からは「パソコンと会話しなから進めてください」
「誰でも使えるシンプルなシステムだから」と言われましたが全然そんなことはなく、戸惑っているところに、「この作業は時々発生するから、覚えておくように」という操作が次々登場して、勤務時間の4時間の作業全てが覚えることだらけで頭がパンクしそうでした。

「会話しながら」というのは、操作を次々に進めていくと、「〇〇どうしますか?(はい、いいえ)」とか、「〇〇ですが、いいですか?(はい、いいえ)」とか、
でも、言葉が分からず会話にならず、操作が止まってしまいます。
単純に操作を覚えるだけでは進められないことが分かりました。
作業を思い出しながら、考えつつ作業していると、M責任者から突然指示が出たり、側にいて早く早くと急かされたりもして、余計に焦ってしまって、頭は真っ白になり、思考力、集中力もなくなりました。
最悪なのは、頭真っ白なまま、安易な判断で操作を進めて間違ってしまうことです。
そうすると修正作業が発生して、M責任者をイライラさせるし、私はさらに慌ててしまうし、ひっちゃかめっちゃかでした。

クスリのピッキングは、処方箋通りにクスリを用意することですが、こちらもスムーズではありませんでした。
この作業は得意だと思ったのですが、約束事もありますし、規格違い、メーカー違いのクスリもあります。これで大丈夫と思ったら、メーカーが違っていたり、似たようなクスリと間違ったり、ミスばかりでした。M責任者が、ほんとにいつも急かすので、慌ててしまってミスしていました。
それでもよく出るクスリはすぐ覚えましたが、そうではないクスリは調剤室をウロウロしながら探しまくっていました。

最初の面接でM責任者から言われたことですが、
人はミスします。でも、患者さんにクスリを渡す時に最終確認をするのは私です。
問題があったとしてもそれは私の責任ですから、と。
処方箋通りにクスリの準備ができると、M責任者が、ミスがないか確認をして患者さんへ渡し、会計を済ませます。
M責任者の確認作業は、完璧で凄いものでした。
他の薬局の運用については知らないのですが、他の薬剤師さんも皆さん同様のことをしているのでしょうか。
ほんとに凄いのです。
だから安心してミスしているわけではありませんが、心の中では、いつも、間違えると思いますのでよろしくお願いしますという思いで作業していました。

5月、Oさんという新しい人が入ってきました。
N先輩より若干若いのかなという感じ。
これで、事務担当者は全日二人体制になりました。
薬局は始めてですという人でしたが、医療事務の受付を経験したことがあるとのことで、動きもよく、頼もしく思いました。
2人体制になり、作業をじっくり見つめることができるようになりました。

連休中に調剤室のクスリの整理があり、クスリの置き場所が変更されました。
M責任者からは、「ここによく出る上位30のクスリをアイウエオ順に並べてあって、このクスリのジェネリックがここ、このクスリのジェネリックがここ、こちらも、アイウエオ順に並べたから。今までよりクスリを揃えやすくなったと思うよ」
早口であっというまの説明でした。
その説明で終わりですか、引き出しの中やメインの棚の裏側のクスリの説明は、と思いましたがそれはありませんでした。

4月中によく出るクスリの場所を覚えたところでしたので、クスリの置き場所の変更は、ほんとにショックでした。また、ひっしに覚えるしかないと思いました。
でも、しばらくすると、確かに、導線がよくなりクスリが探しやすくなったと思いました。

6月、基本的な受付業務の流れについて自分なりの手順ができたのですが、基本的な処方箋受付に限りでした。
保険証に関して変更等があると対応できません。
メインのクリニックの処方箋は、QRコードで保険情報や処方のクスリの情報を自動転記できるのですが、クスリを直接入力して選択する時もあり、選択の判断はまだできないことが多かったです。
患者さんによっては加算も発生し、例外対応もあり、ひとつずつ覚えていきましたが、覚えても覚えても、覚えることは次から次でした。
自分なりの手順は、それはそれで有効でしたが、例外対応ができないと受付で止まってしまうし、安易な判断でミスして後から修正することになったりで、患者さんが重なる時はバタバタ状態でした。
早く、いろいろな約束ごとを覚えなくてはと思うのですが、なぜか、全然頭に入らなくなりました。
脳疲労とは、こういう状態を言うのかなと思いました。
家での予習復習が必要なのでしょうが、そんな気にもなれず、仕事に行くのも辛くなりました。
3カ月で一通りの作業ができるようになると思っていましたが、全然できていませんでした。
でも、なぜか頑張っている自分がいました。

事務雑用もいろいろあります。
事務用品の発注、調剤薬局限定商品(飴やお茶や菓子類)の発注、書類等の整理整頓、など、など。
こちらはどんどん吸収して積極的に動けるようになっていました。

7月、8月は、基本作業以外の手順をまとめてひっしに頭に入れようとしましたが、毎日暑くて、夏バテ状態で、仕事の方に全然気持ちがいかず、覚えることはたくさんあるのに記憶することがストップしていました。
この時も脳疲労を感じていました。
仕事は目の前にあり作業しなくてはいけません。
できずに手が止まってしまうとN先輩がすぐ変わって作業を進めてくれました。
空き時間ができると作業を教えてくれましたが、何度同じことを説明してもらったことか。
いつもやさしく教えてくれるN先輩には申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
感謝しかありません。

それに反して、M責任者は、私が受付をしていると隣に来て、耳元で「早く、とにかく早く」と言うのです。
患者さんは一人しかいないし、処方のクスリもひとつだけ、すぐ受付終わりますよって、心の中でぶつぶつ言っていました。

9月、暑さは続いていましたが、亀のごとく、ほんの少しずつですが、成長はしていました。
自分なりの確認作業の手順もできあがり、それを実施するようにしました。
例外受付は一日に数名はあり、あたふたしながら受付して、ミスして修正作業になったりする時もありますが、そうしながら、新たな作業を覚える感じでした。

5月に入った新人のOさんと二人で仕事をするときが4日間のうち2日間ありました。
私をすぐ追い越してしまうのではと思っていたのですが、受付に関しては「わからない、わからない」といつも言っていて、私と同じようなミスもしていました。
そんな彼女を見ていて、私はほっとしていました。
私の覚えが他の人以上に悪いわけではないのだと思ったからです。
「覚えることが多すぎて分からないわよね」と、いつのまにか協力体制ができていました。

10月、ミスは少なくなり、あっても自分で気がつくようになりました。
自分なりの確認作業も効果が出ていました。
随分仕事を覚えられたと思いましたが、覚える作業はまだまだありました。

新規の医療機関の登録もできるようになりました。

4月~11月、
この間、M責任者にどれだけ叱られつづけたことか。
基本的に患者さんを待たせないことがモットーです。
そのため、作業はスピードが求められます。
M責任者のスピードは、半端ではありません。
慌ただしさとせっかちさは、異常ではないかと思うこともありました。
始めの頃は、考えながらの作業なのでどうしても時間がかかります。
さらに患者さんが重なり、一人でも受付に時間のかかる方がいると最悪です。
慌てるのでミスもします。
そのたびに、M責任者をイライラさせてしまいます。
「怒る」と「叱る」は違うといいますが、
たぶん、私がモタモタ仕事をすること、ミスすることにイライラした時は、怒っていると思います。
でも、時には、指導も加わりますのでその時は叱られているのだと思いました。

「怒る」と「叱る」は違います。
「怒られる」=怒っている側に感情的なものがあり、腹を立てながら何かをまくしたてる。
「叱られる」=自分がした過ちや失敗などについて指導される状態。→本人は反省し、次につなげていける可能性がある。

私の作業もだんだんスムーズになってきたころには、患者さんを待たせずにすみ、M責任者があまり慌ただしくしなくても済むようになりました。
M責任者はせっかちだと思いましたが、そうではなく、そうさせていたのは私なのだということがわかりました。
ほんとに、ほんとに、申し訳ありませんとの思いです。

ただ、不思議なのが、怒られ、叱られ、怒鳴られるのは私だけでした。
N先輩がミスしても修正指示をだすだけです。
新人のOさんにもきついいい方はなく、注意をする程度でした。
しまいには、Oさんのミスについて、私が注意を受けていました。
Oさんに「私ミスしてないと思うんだけど、何かな」と、Oさんに言うと、「それ、私です。さっき失敗しちゃって」って。
M責任者のイライラは、いつのまにかすべて私が受け止めることになっていました。

 怒られ、叱れの連続、パワハラか?

M責任者は、私がスムーズに行動できないこと、あきれたミスをすることにイライラします。
それは、怒っているのだと思います。
人員不足のためM責任者はとても忙しかったので、仕事を教えてくれることがあまりありませんでしたが、いい加減、このミスはしないようにと思う時には、覚え方などを教えてくれました。

私は、いつも、お叱りの声をはい、はい、と聞いていました。
思わず声が出そうになりますが、何をいってもいいわけにしかなりません。
仕事ができないのは私で、覚えられていないのも私で、ミスするのも私です。
でも、いつも、いつも、心の中ではいっぱい思っていました。

教えてもらってないことがいっぱいあるのに、できていないと叱られます。
何をしたらいいか分からず、M責任者の作業をそばで見ていると、「指示待ちしない、できることあるでしょう。」と言われます。

M責任者がイライラしている時に出る声は、
<ちゃんとやってくれよ>
<教えただろう>
<今、それをするんじゃなくて、こっちでしょう>
<なんで今それをするかな>
<早く、できるだけ早く>
<違うでしょ。それは、基本中の基本だよ>
<ひとつ教えたらひとつ忘れてる>
<そんなこともわからないのかよ>

⇒私の心の声『その作業まだ教えてもらってないし』
⇒私の心の声『そんなきつい言い方しなくても、、、。』
⇒私の心の声『指示の意味がわからない?もう少し具体的に言ってよ』
⇒私の心の声『何、その冷たい態度!ちゃんと教えてくださいよ』
⇒私の心の声『そんなにせかさなくても。余計に緊張しますから』

知らないことを習うのが研修であって、相手の無知に付け込んでヒステリックに罵倒するのは研修でも何でもないただのパワハラだと思いました。
はじめのころは何度もそう思っていました。

臨機応変にということも、はじめに言われたことでした。
患者さんの様子を見て、場合によってはこの対応は後にするとか、今回はしなくていいとか、手順を変更する場合があるのですが、私はまずは覚えた通りにしようと動くので、注意されてしまいます。臨機応変は、やるべきことが分かっているからできることで、始めは作業が分かっていないのですから、臨機応変に対応するのは無理だと思いました。

怒られ、叱られ、呆れられながら、一歩ずつ成長した私です。

M責任者からよく言われた言葉は、
仕事は合理的になっているんだから迷って止まったらだめ。
システムはシンプルに出来てるから。

そういうM責任者ですが、時にはやさしい言葉も言ってくれます。
できることをやればいいから、がんばらなくていい。
仕事はがんばらなくていいんだよ。
できないことはぼくがやるから。
できることをする、それでいいんじゃないの、だめなの。

 最初の就活はシルバーセンターに登録

2023年の9月頃、何か仕事をしようかなと思いシルバー人材センターに申し込みました。
なぜ、仕事をしようと思ったかといいますと、
仕事から離れて2年間ほどのんびりしていたのですが、人と接することが極端に減り、社会と関わることも極端に減り、そのことが始めは快適に思っていたのに、だんだん不安になっていきました。
外出するのは散歩か買い物のみ。
会話をするのは、主人と時々おしゃべりする姉と会社の同僚。
人や社会からの刺激はかなり少ない生活でした。

そして、
なぜ、シルバー人材センターに申し込みしたかといいますと、
仕事が終了して、仕事をするならシルバー人材センターの仕事なのではないかと勝手に思っていたからです。
同年代の回りの人たちからも、そういう話を聞いていました。
ですが、登録してわかったのが、選択するほどの仕事がないこと。
また、仕事の内容(種類)も少ないものでした。
施設管理、スーパーのカート整理、草刈り、剪定の仕事、清掃、、、。
パソコンを使用するような、一般事務の仕事はないのかと思っていたのですが、それはありませんでした。
登録した時に、パソコン利用についてのアンケート用紙があり、パソコン使用OKとしましたら、事務所の方に期待されるようなことを言われたので、仕事があるのかと思いましたが、何もありませんでした。
ただ、後でわかったのですが、施設管理や事務職などの仕事もあるにはあり、空きができると職歴などの経験内容から個別に依頼がくるようです。

 次にハローワークで就活

必ず仕事をするという思いまでなかったため、どうしようかなとだらだら日が過ぎていきました。
シルバーセンターの説明会で、収入が目的の場合はハローワークで探してくださいと言われていたことを思いだし、仕事探しならハローワークでしょうとの思いでハローワークに登録してみました。

いろいろな仕事がいっぱいあり、どこからどう探していいのかわからなくなるほどでした。
ハローワークの窓口の方に相談し、
インターネットで仕事探しができるようにセッティングを行い、興味を持った仕事に面接の依頼をしてみました。
仕事としては、工場(こうば)での仕事、ホームセンター、スーパーなどで働くのはどうかなと思い、そういう職種で求人をチェックしました。
2カ所ほど面接にいきましたが、断られました。理由はわかりませんが、年齢だと思いました。
ハローワークの方からもたぶんそうでしょうねと。
家から近いところで、精密機器のはんだ付けの仕事。こちらは年齢制限があり、面接の前に断られました。
仕事内容から求人を探していましたが、自分が希望する日数や時間から調べてみようかなと思いました。
また、ハローワークの担当者の方から、業種を選択してから探すのではなく、一度全部の求人案内をみてみたらどうですか、とアドバイスがありました。
そこで見つけたのが、調剤薬局での調剤事務の仕事でした。
それまで、何度も求人案内をチェックしていましたが、この案内を目にしたことはありませんでした。
ハローワークの担当者の方に“ありがとう”です。
そして、面談依頼をして、今に至ります。

 最後に

この仕事を始めて、改めて分かったことがあります。
私は、何をするにも準備が必要な人なのだということです。
・基礎知識を習得する
・マニュアルを読む
・一から十まで、手順の説明を聞く
・作業を納得するまで訓練する

ですが、今回仕事を覚えるのに必要な準備が何もありませんでした。
よくここまで成長したと、自分にご褒美をあげたいくらいです。

はじめのころは、指示の意味が分からず、
シンプルなしくみだと言われても、全体を理解していないのでシンプルさなどわからず、
レセコン操作は、対話すればいいんですよと言われても、言葉がわからず、
とまどうだけでした。

でも、パワハラではと思いながらもそれほど落ち込まずやってこられたのはなぜかと言いますと、M責任者は、すぐイライラして怒りますが、基本的にはとても優しいのです。
モットーは、患者さんを待たせない、そのために何をするかなのです。
なので、できることをしてくれればいいと言います。
“出来ないことが発生した時は、できないでしょう、その時はできる人がやればいいでしょう、だから言ってください”と、よく言われました。

めげずに頑張っています。
M責任者は、がんばらなくていいといいますが、頑張るしかありません。
私の頑張るエネルギーのもとは、この仕事が得意なはず、やるべきことが分かっていないだけと思っていることです。なので、もう少し、もう少しと思いながら、何か月も過ぎてしまいましたが、やっとお叱りの言葉が少なくなり、お叱りは注意に変わっています。

今現在、脳の疲労はなくなりました。
M責任者の“早く、早くだよ”のささやきはまだありますが、慌てることなく、落ち着いて仕事ができるようになりました。
“慣れる”というのは、すごい強みです。
その“慣れ”に甘んじることなく、仕事をする時は常に「落ち着いて、集中、確認」を意識しています。

健康のため、頭の体操のため、社会との繋がりのため、と思って始めた仕事は、楽しくなり始めています。

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