TVドラマ「初恋の悪魔」が面白いのです

ごきげんよう

TVドラマが好きな私は夏ドラマを毎日楽しく観ています。
夏ドラマは、7月~9月に放映されるドラマですが、土曜日午後10時からの日本テレビの「初恋の悪魔」が面白いのです。
舞台は警察署で刑事さんや総務課の方々が事件を解決するという内容で、ミステリアスコメディーとのことですが確かにそうです。
脚本は坂元裕二さんで、放送前から話題になっていました。

主人公は2人とその仲間が2人とのことですが、私は、主人公4人のドラマだと思って観ています。
懲戒免職中の鹿浜鈴之助さん(林遺都さん)、
警察署総務課職員の馬淵悠日さん(仲野太賀さん)。
一応仲間となっている2人は、
警察署会計課職員の小鳥琉夏さん(柄本佑さん)、
生活安全課の摘木星砂さん(松岡茉優さん)。

この登場人物4人は、めちゃくちゃ個性的です。
それを演技派の4人が演じるのですから、それはそれは最高に楽しく観させていただいています。
演技する4人は、それぞれの4人なのですが、しっかり役が憑依しています。

鹿浜鈴之助さん(林遺都さん)は、刑事課の刑事なのですが、銭湯に拳銃を忘れたということで懲戒免職中です。凶悪犯罪愛好家の推理マニアです。
りっぱな一軒家に一人で住んでいるのですが、この家でもいろいろと事件が発生します。
4人の中で飛びぬけて変わった性格をしていますが、可愛いところもあります。

馬淵悠日さん(仲野太賀さん)は、警察署総務課職員で、控えめでお人よしの性格。
摘木星砂さん(松岡茉優さん)を好きになります。

小鳥琉夏さん(柄本佑さん)は、警察署会計課職員で、刑事さんなどから提出される領収書のチェックが細かすぎて面倒くさがられています。
新人刑事の渚さん(佐久間由衣さん)に好意を持っています。

摘木星砂さん(松岡茉優さん)は、生活安全課の刑事でいつもスカジャン姿。何やら深い病みを抱えていそうだと思っていたら、二重人格らしく、別人格はヘビ女と言われていました。ヘビ女というので悪い子を想像しましたが、高校生の時に東京に出てきて一生懸命生きていた少女でした。

4人は捜査権がないのですが、鈴之助宅に集まって事件解決の推理会議を行います。
推理のために現場の縮尺模型を作成し、その中に入り込み、供述調書などの資料より事件の真実に辿り着き、解決するのです。その入り込む時の映像がまた面白い見せ方をします。
犯罪マニアの鈴之助さんが中心になって推理するのですが、推理タイムが始まる前に必ず「マーヤーのヴェールを剥ぎ取るんだ」と言います。
「マーヤーのヴェール」とは、古代インドの哲学用語で、思い込みや常識などのことで、
現実に囚われていると本質を見えなくなるのでそれを剥ぎ取って推理しようということです。

実際の刑事さん方が表面的な状況証拠で事件を解決してしまおうとするのですが、4人からの推理結果を提供し、本来の事件解決となります。
推理結果の提供方法もまた面白いです。

毎回、一つの事件を解決しますが、ドラマも第六話まで終了していて事件解決というより、主人公らが関係する事件というか謎に焦点があてられてきています。
すでに解決されている殺人事件も、実は連続殺人事件で犯人はまだ捕まっていないのではないかという謎も出てきました。

悠日さん(仲野さん)のお兄さんの朝陽さんは、優秀な刑事さんだったのですが、3年前にビルから転落して死亡しています。捜査中の事故死として処理されていますが、朝陽さんの友人の署長の雪松鳴人さん(伊藤英明さん)は殺人事件だと思っていて、今も調査しています。
この署長さんもおかしい行動をする怪しい人物です。署長さんがこんな人物でいいのかなと思うくらいで、署長さんの存在もドラマを面白くしています。
そして、後半になってきて、お兄さんの朝陽さんの友達というより、その逆で死に関係しているような感じがしてきました。
また、この転落事故に摘木星砂さん(松岡茉優さん)が関係しているようなのですが、まだ謎です。

星砂さんは、ヘビ女の方の自分のことは分からないので、もしかしたらヘビ女の方が本当の自分なのではないかと不安になっていて、悠日さんに話をします。
その時の悠日さんのセリフはジーンときました。

「僕が好きなのは、トマトが嫌いでエビフライが好きな人です。僕が、あなたを知っています。僕が知っている限り、あなたはいなくなりません。困ったら僕を見て下さい。僕が『あなたはあなた』だって言います。大丈夫。絶対いなくなりません。僕が知ってますから」

その他の出演者に、鈴之介さんが窓越しに監視している向かいの家の自称小説家の森園真澄さんという人がいるのですが、それを演じているのが安田顕さんです。
鈴之助さんは怪しい人と思っていましたが、本当は怪しい人ではなく、以前、国選弁護士として、殺人事件を担当していました。
それから、かって監察医をしていて、星砂さんとは知り合いの小洗さん役が田中裕子さん。
お二人も強烈な個性を発揮しています。

ところがです。
ドラマの後半でどう展開していくのか、どのように伏線が回収されるのか、とても楽しみにしているのですが、なぜか視聴率が悪いのです。

TVドラマの考察をするユーチューバーに大島育宙さんという人がいて、この方の考察をいつも見ているのですが、「初恋の悪魔」の評価はよく、
大島さんは視聴率が低いことについてこう言っていました。

「攻めすぎて一般の人に届かないのかなと思う。このドラマは脚本の坂元さん好き、出ている俳優好きという人たち、また、評論とかも好きとかいう人が見ている気がする。その人口が少なかったのかなという悲しさですよね。視聴率は低いですが、クオリティーはめちゃくちゃ高いです。」

20日(土)に第六話が放送されました。
星砂さん(松岡さん)の過去とリサ(満島ひかりさん)という女性の存在が明らかになり、また、悠日さん(仲野さん)の兄である朝陽さんは、そのリサを少年殺人事件の容疑者として追っていました。
星砂さんと悠日さんの関係。
星砂さんの別人格と鈴之助さんの関係。
鈴之助さんが監視していた向かいの人は、元弁護士で署長の雪松さんを知っていた。
いろいろな繋がりが見えてきたのですが、こういうのを「点と点が繋がっていく」と表現するのでしょう。
第六話は、怒涛の展開であっという間の一時間で、そうなんだ、そうなんだと思いながら観ていたのに、終わった後に振り返っても、時間軸があやふやで、頭の中を整理できませんでした。

私は、出ている俳優さんが好きということで見始めましたが、演技がすばらしいですし、セリフで魅せる脚本家のドラマです。
実に楽しく、とにかく面白い。
来週が待ち遠しいです。

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