ミステイク、乗り遅れた春ドラマ「コントが始まる」

ごきげんよう

私は、テレビドラマが好きです。
3カ月クールで新しいドラマが始まりますが、2021年春ドラマもたくさんのドラマがスタートし、この6月、次々と最終回をむかえました。
その中で乗り遅れてしまったドラマがありました。
そのドラマは、「コントが始まる」です。

「コントが始まる」
5人の青春ドラマ、群像劇である。

トリオ「マクベス」の夢を諦め解散を決意した3人の男たち。
   高岩春斗さん(菅田将暉さん)
   朝吹瞬太さん(神木隆之介さん)
   美濃輪潤平さん(仲野太賀さん)
数年勤めた有名食品メーカーを脱落し、抜け殻のようになった姉。中浜里穂子さん(有村架純さん)
その姉の世話を言い訳に目標もなく夜の街で働く妹。中浜つむぎさん(古川琴音さん)

その他にも、マクベスのマネージャー役 楠木さん(中村倫也さん)
春斗(菅田さん)のお兄さん俊春さん(毎熊克哉さん)、など、など。

始め、タイトルからコメディドラマ?と思いました。番宣もいくつか見ましたが、その思いを否定されるに至らず、その思いのままドラマを見始めました。
第一話、第二話をあれ、という思いで見て、コメディではないみたい、何も心に入ってこない。私がかってに内容を想像してそうではなかったことで受け入れられず、面白くないと思ってしまいました。

ですが、謎解きの松丸亮吾くんの土曜日のYou Tube ライブの中で、“10時から「コントが始まる」を見るのでそれまでにライブは終わりますよ”、と、“ボクそのドラマ好きなんですよ。リアルタイムで見たいので”、と。私が面白くないと思ったドラマを松丸くんはどこが気に入ったのだろう。あれ。また、同じ頃、コラムニスト桧山珠美さんの記事に次のような内容が載っていました。

今期のドラマは各局のカラーというか、それぞれの得意技で勝負していて嬉しい。(略) 日テレ「コントが始まる」。10年売れずに解散を決めたお笑いトリオ「マクベス」を中心にした青春群像劇。(略)日テレは昭和の時代、青春ドラマを得意としていた。「コントが始まる」はそれら青春ドラマの系譜に位置する。言ってみれば、令和版「俺たちの旅」のようなドラマで中高年世代にとって懐かしい匂いのするドラマだ。登場人物が全員優しく、思いやりの大切さに気付かされる。今期、イチオシ。日テレには青春ドラマがよく似合う。若者にも見てほしい。

コメディドラマと思って見始めたのは私のミステイク。青春ドラマ、群像劇でした。
3話から気持ちを新たにしっかり見させていただきました。

最終回は、1話から9話を思い出す内容でしたが、昔のドラマの最終回の定番のように登場人物が全員で出てきて全体をまとめて終わりというものではありませんでした。そういう単純なものではありません、このドラマらしい新しい感覚を感じました。こう繋げるのか、こう繋がるのか、といった、いろいろな伏線を見つける楽しさがありました。

そんな中、春斗さん(菅田さん)以外の4人は、次の道を見つけていたけれど、春斗さんははっきりしていませんでした。
第七話、瞬太さんのナレーションで、「みんなの人生が少しずつ動き始める音がした。」というシーンがありましたが、春斗さんだけはまだ動いていなかったと思うのです。逆にどうしようかともがいているように思いました。
次の就職先の選択に悩んでいて、里穂子さん(有村さん)の就職先を決めた理由を聞き、
「それが決めた理由!?」、
お兄さん(さん)の就職先の決めた理由を聞き、
「たったそれだけのことを働く理由にできるの?」と、
そういうことでいいんだ、と、悩んでいる気持ちが少し楽になったのかなと思わせるシーンでした。で、最終話でやっと就職先を決める理由を見つけます。

お兄さんとの会話です。
兄 「世の中そんなに甘くないよ」
春斗「びっくりしたね。やっぱり再就職は難しいんだなって」
兄 「老舗の印刷会社じゃ、不満かよ」
春斗「なんて言うか。昔の華やかな兄ちゃん見てるから」
兄 「マルチにはまって、家に引きこもっている時に、最初に電話してくれた友達の親父の会社。
   その友達が垂らしてくれた糸を一生懸命のぼることしか今は考えていない。
   少なくとも、俺が社会に復帰することをその友達は喜んでくれてるから」
春斗「失礼ないい方だけどさ。たったそれだけのことを働く理由にできるの」
兄 「俺みたいにちやほやされてきた人間には、自分を満足させることは難しいんだよ。
   こんな仕事じゃかっこ悪いとか、こんな金じゃ満足できないとか、一歩も動けないよ。
   だから、周りの大切な人を満足させてみようって思って。
   もしかしたら、周りを満足させる生き方が出来た時、始めて本当の意味で
   自分を満足させられるような気がしてるよ」
春斗「さすが、長らく引きこもってただけあって、理論は完璧だね」

引っ越し先の部屋で、じゃんけんで勝ち取った冷蔵庫をふと見ると水のトラブルのマグネットが貼ってあります。コントにも登場した修理屋さんです。就職先を決める理由が見つかりました。春斗さんの次の仕事は水のトラブルの修理屋さんです。 最終回の最終シーンは、マクベスのコントにもあった「水のトラブル」と同じシーンでした。

それから、
潤平さんは10年間お付き合いしている彼女との結婚が決まっていて、
瞬太さんは冒険の旅に出ますが彼女のところに帰ることが決まっていました。
春斗さんは?と思いましたが、瞬太さんの彼女は里穂子さんの妹ですから、これからも春斗さんと里穂子さんの繋がりはあり、きっと春斗さんには今以上にすてきな風が吹くのかなと思うのでした。

すてきなラストでした。

このドラマは、これからの人生が長い人たちへ送る言葉がいっぱいでした。
私にも心にしみる言葉がいっぱいありました。
「コントが始まる」、本当に感動をありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました