TVドラマが大好きな私。
4月~6月の春ドラマのセリフから考えさせられたものがありました。
月曜日、フジテレビ 10時から「あなたを奪ったその日から」というドラマです。
6月30日(月)に最終話が放送されましたが、その中でのセリフで心に沁みたものがありました。
そういう考え方もあるんだなと、驚きもしましたし、心が穏やかになるのを感じました。
ドラマの内容は、
母の復讐と親子愛の壮大なストーリー。
10年前に食品事故で子ども(あかりちゃん)を失った母親・中越紘海(なかごし・ひろみ)(北川景子さん)が、事故を起こした惣菜店の社長・結城旭(ゆうき・あさひ)(大森南朋さん)を恨む中、図らずも旭の子どもを誘拐してしまう。復しゅうを果たそうとする紘海だったが、そのまま秘密に育てる物語です。
女の子の名前は萌子でしたが、「あなたは美海(みみ)」と名付けます。
そもそも誘拐したというより、誘拐してしまったと言ったほうが正しく、子供のほうはその中越紘海(北川景子さん)をいなくなった母親が迎えにきてくれたと思い、お母さんと呼んで離れなかったのです。
3歳のときに誘拐して、10年育てます。
その萌子である美海は、鉄道好きの中学生になっていました。
紘海(北川景子さん)は、その子を深く愛し手放せなくなります。
ですが、誘拐は事実であり、犯罪なのです。
実の父親結城旭(ゆうき・あさひ)(大森南朋さん)は、行方不明になっても娘を探し続けていました。
ドラマの一話で誘拐して、最終回のひとつ前でバレてしまいます。
萌子である美海は、本当の親との再会をします。
本来なら母となった紘海(北川景子さん)は、誘拐したことがバレてしまったのですから、その罪を告白して罪を償うことになります。
でも、ドラマの結末は違いました。
紘海(北川景子さん)は、本当の娘を食品事故で亡くしました。
惣菜店の社長・結城旭(大森南朋さん)は、原因を隠蔽していて、紘海としては娘を殺されたも同然なのです。
惣菜店の社長・結城旭(大森南朋さん)は、子供を誘拐されました。誘拐犯を恨んでも当然です。
萌子である美海は、育ててくれた紘海(北川景子さん)を母として慕っています。
本当の親のところで生活を始めますが、育ての親にまた会いたいと家を出ていきます。
娘は育ての親が来てくれると思いながらある場所で待ちます。
実の父と育ての母が娘を探しますが、娘が待つ場所に気が付くのは育ての母でした。
その後の会話がこのドラマで伝えたかったことなのだろうと思いました。
その内容は、この後に記しますが、
結果は、罪を償うという母に実の父が言います、
「娘を盗んだが、10年育てた母が本当の母親だ」と。
母親として認め、娘を育ての母のもとに帰します。
そこには、娘自身の気持ちも大切に思う気持ちも含まれていました。
キャストは、
中越紘海 (北川景子さん) 自分の娘を3歳で亡くし、事故を起こした惣菜店の社長の娘を誘拐して育てる
結城旭 (大森南朋さん) 事故を起こした惣菜店の社長
萌子/美海(一色香澄さん) 結城旭の娘。中越紘海が誘拐し育てた娘。
その他のキャストは、
望月(筒井道隆さん) 結城の右腕
結城旭の長女・梨々子(平祐奈さん) 食品事故の原因を作った人
玖村(阿部亮平さん) 梨々子の家庭教師だった人
鷲尾(水澤紳吾さん) 惣菜店の調理責任者で、食品事故の原因を知っていた
東(仁村紗和さん) 週刊誌記者で惣菜店の食品事故を調査している。鷲尾の娘。
気になったセリフは、
最終回より:
<美海さんは鉄道を見ています。その姿を見ながら紘海と旭の二人が会話します>
旭「中越さん、萌子は戻ってきたけれど、今までの時間はとりもどせません。私は、まだあなたを許せずにいる。あなたは、僕を許していますか。あかりちゃんを、あなたのお嬢さんを奪ったボクを」
紘海「私はずっとあかりの死を受け入れませんでした。あなたを恨み、娘を守れなかった自分を憎み、そして、罪を犯しました。今ではこう思っています。あかりは生きていた。短い人生だったけど、小さいからだで力いっぱい生きた。今はすべてを受け入れています。」
旭「なぜですか。私は、いまだにあなたを許せずにいます。教えてください。どうしてそんなことができるのですか」
紘海「あの子のためです。あの子には私のようになってほしくないから。人を恨んで、自分を見失ってほしくない。人を受け入れる、強い大人になってほしい。これから自首します。」
<自首するという紘海さんと最後の別れの時>
紘海「美海、萌子ちゃん。私のことは何も心配しなくていいから。いい、私のことは忘れていい。あなたは自分のご家族と幸せになることだけ考えればいいから」
萌子「無理だよ。お母さん」
紘海「無理じゃない。あなたは大丈夫」
萌子「大丈夫じゃないよ」
紘海「大丈夫。お母さん、知っているよ。あなたがどんなに強いかって。やさしくて、どんなにいい子か。始めて会った時からあなたはかわいくて、まわりの人を愛して、愛されて、いつか夢をかなえて素敵な大人になる」
萌子「お母さん」
紘海「だから大丈夫」
萌子「お母さん、私のこと好き?すき?」
紘海「好きだよ」
萌子「本当に」
紘海「大好き、大好きだよ。これからもずっと」
萌子「美海って呼んで」
紘海「美海」
萌子「もう一回」
紘海「美海」
萌子「もう一回」
紘海「美海、大好きだよ」
旭「中越さん。責任を果たしてください」
紘海「はい、これから警察に行きます」
旭「僕が言っているのは、親としての責任です。子供にとって、もっとも幸せな環境で子供を育てることです。私も親としての責任を果たします。あなたもそうして下さい」
ラストでは紘海と美海が二人で暮らしている様子が描かれます。
カレンダーには「お父さんと会う日」と書いてある日もあり、美海は旭とも会って良い関係を築いていることがわかりました。
感想
どういう結末になるのだろうと思いました。
紘海は旭の娘を誘拐するという罪を犯しました。
ですが、その前に旭は、お惣菜店のミスで紘海の娘を死なせています。
萌子/美海は、どうなるのだろう。
育ての母が逮捕されたら悲しいし、いっしょに暮していくこともできなくなる。
生活は、実の父といっしょに暮していくことになるのでしょうが、それは娘にとって本当に幸せな結果なのか。
旭は紘海のことを許せないと思っている。
紘海も旭のことを恨み、自分自身も憎んでいました。
お互い「許す」ということもあるのか、ということも気になりました。
そして最終回を迎えて、紘海は「すべて受け入れることにした」と。
「許す」ということではなく、「受け入れる」ということ。
そういう思いかたもあるんだと驚きました。
恨む相手を「許す」ことができるか、という問いは、私自身に直接的な経験はありませんが、映画やドラマなどではよく登場します。
「許す」とは、相手の過去の行為をもう責めないと決めることだと思うのですが、
では、「受け入れる」とはどういうことになるのでしょうか。
考えたのですが、
それは、その出来事や相手のことを事実として認めることなのではないでしょうか。
必ずしも肯定するわけではなく、変えられないことではあるけど、自分の中に位置づけるような感じでしょうか。
ですが、言葉を並べてみるは簡単ですが、「受け入れる」ということはとても難しいと思いました。
「受け入れる」には、時間が必要だと思いました。
相手のことを変えることはできない、だから考えすぎず、自分の方を変えていく必要があるわけですから、時間は必要です。
事実を認めて、相手を理解もしつつ、自分を変えて受け入れていく方向に向かう。
「受け入れる」とは、相手のためではなく、自分の心を安定させるための選択だと思いました。
人間関係や心の問題はとても繊細で、正解はないと思っています。
でも、関係する人たちが、可能な限り穏やかな気持ちで生きられるのなら、すばらしいことです。
ドラマの最後は、紘海も娘の美海も幸せそうに生活していました。
よかったと思いました。