加山雄三さんが文化功労者に選ばれました

ごきげんよう

11月3日、俳優で歌手の加山雄三さんが今年(令和3年)の文化功労者に選ばれました。喜ばしいことです。

「私は、加山雄三さんのファンです」、と書きたいところですが、最近はこちらからの関与は何もなく、ファンですとはおこがましくて言えません。
ですが、「ファンでした」と、過去形でも書きたくありません。
私の心の中には、加山雄三さんのコンサートに行ったり、曲を聴いたり、映画を観たり、テレビに出演する時は必ず見ていましたし、たくさんの思い出があります。
でも、今は、心の奥の方に置いてしまっています。

コンサートについてですが、
始めてコンサートに行ったのは、20歳の頃で、会場は札幌の厚生年金会館でした。
友達と4人で見に行き、終わった後、まだ、コンサートの余韻に浸っていたく、すすきの(札幌の中心部にある飲食街)に飲みに行きました。
行きつけのところなどありませんでしたので、先輩に連れて行ってもらったカントリー音楽が流れているお店(スナックバーより意気な感じ)に行きました。
テーブル席で、コンサートで購入したパンフレットを広げておしゃべりをしていましたら、隣のテーブルで飲んでいた方に「コンサート行ってきたの」と声を掛けられました。なんと、加山雄三さんのコンサートのスタッフの方たちでした。
私が、「加山雄三さんはごいっしょではないのですか」、と聞くと、「彼は奥さんに電話して、もう寝てると思うよ。いつもそうなんだよ。」とのお返事でした。
その日は土曜日だったのですが、日曜日の公演もあり、「もしよかったら明日も来ない」と言ってくださいました。驚きましたが、遠慮なく行かせていただくことにしました。名刺を下さってそれを受付に見せてチケットをもらってくださいとのことでした。その名刺は、恩田光さんという方のもので、パンフレットに名前が載っていたのですが、コンサートの監修(責任者)をされている方でした。
私は、他にも歌手の方のコンサートに行っていますが、続けて2日間行ったのはこの時だけでした。

小樽に住んでいた時、加山雄三さんのコンサートは、ほぼ年一回全国ツアーが行われていて、札幌のコンサートに行っていたのですが、東京ではよく中野サンプラザホールが会場になっていました。きっと札幌とは違う、豪華で素敵な演出もあるのだろうと思いつつ、いつか中野サンプラザホールで見たいと思っていました。それが、埼玉県に移動し実現しました。
でも、いつか行きたいと思ってから10年以上経っていたこと、中野サンプラザホールよりりっぱな会場は都内に沢山ありましたし、コンサートの内容も、新曲披露があるわけではなく、当日のリクエスト曲に答えて上位25曲ほど歌うというものでしたので、豪華で素敵という感動はなく、夢がかなったという満足感だけで終わってしまいました。
感動は少なく、憧れの中野サンプラザホールにコンサートを見に行き、その満足感で胸いっぱい、お腹いっぱいという感じで、憧れのような気持ちがなぜか薄れてしまうのを感じました。時代は変わりましたし、私の生活の環境の変化もあったと思います。何か明確な理由があったわけではありませんし、私自身がそうしたわけではありませんでしたが、加山雄三さんへの思い入れが心の奥の方に入っていったきり出てこなくなりました。

加山雄三さんが凄いなと思うのは、何をやっても一流なところと家族思いのところ。
そして、海が大好きで、小型船舶操縦士の免許を取得し、光進丸というクルーズ船を持っていたこと。光進丸7世が進水された時には、大型5級海技士航海科の免許を取得し、2カ月間の長期航海をしていました。父島諸島、グアムへ行ったそうです。
104t級の3代目光進丸が、2018年に火災が発生し、沈没してしまった時は驚きましたが、加山さんの落胆は計り知れないものだったと思います。一週間後に予定されていたコンサートは延期されたそうです。

それから、曲を作るだけでなく、ピアノコンチェルトまで作ってしまう凄さ。
そして、家族のために曲をつくり、家族への愛を表現する優しさ。
大好きな海の歌も。

妹へ:「ぼくの妹に」。TVドラマ「僕の妹に」の主題歌でした。
母へ:「母よ」
父へ:ピアノ協奏曲第一番ニ短調K-213 副題が「父に捧げるピアノコンチェルト」というクラシックです。12年かけて完成したそうです。CDを持っていますが、メロディーが分かりやすく、聴きやすいです。私は、ピアノコンチェルトが大好きなので、よく聴いていました。
妻へ:「September 4th(9月4日)」
海へ:「海 その愛」、「光進丸」、などなど

私が好きな曲はいくつもありますが、「September 4th(9月4日)」が一番好きです。 9月4日は、加山さんの結婚記念日です。1970年9月4日、ロサンゼルスで挙式を行いましたが、この曲は、式を挙げる2時間前、教会のオルガンで作った曲だそうです。三拍子で心地よいメロディーで歌詞もよく、聴いていると涙が出てきます。76年の武道館コンサートでこの曲を歌った時、加山さんの目が潤んでいたそうです。私は、ライブアルバムでこれを聞きましたが、涙声でちょっと歌詞につまっているのが聞き取れます。

「海 その愛」も好きな曲です。コンサートでは、ピアノを弾きながら歌ってくださいます。雄大な海がイメージされるすてきな曲です。

もう一曲、コンサートの最後に歌ってくれた曲に「フェアウェル(今は別れのとき)」と言う曲があります。短い曲ですが、コンサートで興奮している状態を、やさしく、心穏やかにしてくれる曲で好きでした。

こちら(埼玉県)に来て、もう一歩踏み出し、武道館ライブに行ったり、メルマガ登録をして、オフィシャルサイトをチェックしていたら、心の奥に置くことはなかったかなと思うのでした。

現在、84歳の加山さんですが、一昨年は「脳梗塞(こうそく)」、昨年は「小脳出血」になりましたが、リハビリを経て、コンサートを行えるまでに復活しました。
今も現役で活躍されている加山さんに拍手を送ります。
ますますのご活躍を期待しております。

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